土岐市の難あり物件 細長地・接道のない土地

   

岐阜県土岐市にて難あり物件の住宅設計のご相談をいただきました。

難あり物件の多くは、難の条件が一つではなく、複数の要素が共存している物件も少なくありません。今回もその例に漏れず『接道無し』『細長地』という2つの難が・・・

 

接道のない土地

対象地は用途地域の指定のある区域で、調整区域のような制約は無いので、一般的には住宅を建てることが可能です。

しかしながら本物件は、周囲に全く接道のない土地で、建築基準法上は新しく住宅を建てることができません。建物用地は、公道(建築基準法が指定する道路)に2m以上接していなければならない、という決まりがあります。

今回、何とか設計の土俵にのった要因は、本物件が親世帯の住む母屋の土地と接しているという立地条件があってのことでした。

これにより ”母屋と一体の敷地” という扱いにすることができるので、母屋側の接道にてクリアすることができました。

ただし、この先にもさらなるハードルが存在します。。。

母屋と接続 or 独立離れ ?

今回の細長地に建てる住宅は子世帯の家です。

一体敷地の中に既に親世帯の住宅があるので、工事種別としましては「増築」にあたります。

そのため、次に決めなければならいことは、母屋と繋げるか、別棟の離れとするか、という選択です。

こちらは住まい方や親世帯・子世帯それぞれの考え方によりますので、クライアントとの打合せにより方針を決めるのですが、ここにも建築基準法の縛りが発生するので、なかなか思い通りにはなりません。。。

母屋と繋げると、母屋と増築部分が一体の建物と扱われるので、構造上、防火上ほかの制約が厳しくなってきます。

いろいろと協議した結果、別棟の離れという選択に至りました。

離れの要件

一般に『離れ』というのは、どのような要件の際に適用される用語なのでしょうか。

建築基準法では一敷地に一建物を原則としているので、独立したそれぞれの住宅を一敷地に建てることは許可されません。

それはつまり、離れとはそれ自体では生活が成り立たない建物を指します。具体的にはお風呂、キッチン、トイレのいずれか、もしくは複数が欠けている建物である必要があります。

足りない設備は母屋のものを使用するという前提で、初めて『離れ』という扱いが適用されます。

お風呂、キッチン、トイレのいずれかを選ばねばならないとすると、個人的にはトイレは絶対に離れに欲しいですね(^_-)-☆

今後、この条件に当てはまるようにプランを作成していきます!

 

細長地

次はもう一つの ”難” である「細長地」についての考察です。

建物の位置を決める際の重要なポイントして、建築基準法以外に【民法の離隔距離】というものがあります。

隣地に対して

「ギリギリに建物をつくらず、お互い50㎝ずつスペースを空けましょうね」

という決まりです。建築基準法の条文ではないので、建築確認申請の審査機関からのチェックはありませんが、工事が始まってから、お隣さんから苦情を言われ、裁判まで至ると負けてしまう可能性が高い、過敏にならざるを得ない条件です(>_<)

これにより、母屋側以外の3方は50㎝空ける必要があるので、目いっぱい建てることができません。

このほか居室への有効採光を確保するためには、トップライト等のイレギュラーな手法を用いない限り、敷地境界線から窓位置までにある程度のスペースを確保しなければなりません。

これらの諸条件を頭に入れつつ、プランニングを進めていきます。

 

実はまだある難あり条件・・・

本物件は既設の住宅が建っており、この解体撤去から行わなけらばなりません。

道路側に対して、母屋が幅いっぱいに建っているので、解体のための大きな重機が入ることができません。

この問題は、建設する際の建材を運ぶクレーンを使用できるかどうか、ということにも影響します。

壊すこと、建てること、双方の仕事がとてもやりにくい状況と言えます。重機が有効に機能できないとなると、手作業が増えて、コストが上がってしまいます。。。

両側の僅かな通路、母屋のピロティ下、母屋の屋根を超えて...など、限られたルートを調査して、どのようなサイズの重機が使えるのかを検討していきます。

 

難あり物件の楽しさ

これまで、本物件の難しさを書いてきましたが、このがんじがらめの難条件の中、それを逆手にとって、どのようにして個性的な住宅を生み出すかを考えることは、とても楽しい作業です(^O^)

クライアントに気に入っていただけるような提案を創り出したいと思います!

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